ハニーレモン・ジンジャー、君は
温かいぬくもりをくれた
どうしようもなく情けない
こんな僕のために
君に拾われたみたいだ
どしゃ降り、色を消した昼下がり
少しだけ驚いた顔をして
そっと傘を差し出した
知らないままならよかったのだろう
君の前では僕はずっと
情けないままなのに
ハニーレモン・ジンジャー、僕は
君の声で目を覚ますよ
温かい灯の下で息を潜めようか
君の生活をちょっとかじる
この部屋は小さくてちょうどいい
本が最後まで読めない君
ため息がちに笑うんだ
マグカップの中の陽だまりは
僕の、情けない僕の顔を映していた
あの日君の目に映った僕は
どんな姿だったのだろう
ハニーレモン・ジンジャー、僕は
君の部屋を出ていこうか
崩れ落ちそうな本の塔と
苦い香りだけを残して